歴史の横道

夏期休暇明けに月末月初というハードな一週間を終えて、紀伊半島奥地の温泉地までドライブ。

奈良県南部の五條市の本陣から国道168号線をひたすら南下。途中、南北朝時代南朝方の皇居が置かれた賀名生(あのう)を通り、道の駅 吉野路大塔の向かいにある郷土館でランチ。

大塔は、後醍醐天皇の皇子大塔宮護良親王が立ち寄ったとされ、その名に因んだ地名。後に、幕末には維新を志す天誅組の本陣が五條からまさにこの屋敷に移され、十津川郷士の力を借りるも幕府に敗れたという歴史を持つ所。
f:id:march1st:20160905000613j:image護良親王

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今では、郷土料理が食べられる古民家カフェと言ったところ。座敷の縁側でゆるい風に吹かれつつ、名物の高菜で包んだめはり寿司が美味しかった。
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国道を更に南下して、十津川村に入る。

ちょうど、東日本大震災の年に起きた、紀伊半島豪雨災害の慰霊祭が行われていた。沿線の山肌には大規模な土砂崩れの跡を覆った擁壁も見られ、道路沿いには新たな崩落を工事していたりする。険しい土地だ。

その代わりと言うべきか、良泉に恵まれている。

関西では珍しい硫黄泉の源泉掛け流しの温泉が、村の公衆浴場を含め大小あちこちにある。温度が50℃以上と高く、入浴の際には自分で水を足して温度を下げないといけない。

それでも効能は高く、湯上がりには大量の汗をかき、そのあとは驚くほど身体が軽くなる。

辿り着くのは大変だけれど、その価値のある秘湯だ。
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村の中心部にあたる役場横の道の駅では、北海道の新十津川町で作られた名産のメロンアイスクリームが売られていた。新十津川は、明治時代に起きた十津川の大規模で家や土地を流された人たちが新天地を求めて開拓した町で、今でもルーツであるこの十津川村と交流が続けられているのだとか。

メロンの風味が濃厚で、美味しいアイスバーだった。

ちなみに、この道の駅 十津川郷には源泉掛け流しの足湯もあり、ドライバーやライダーの旅の疲れを一時癒す憩いの場となっている。

 

この十津川温泉への道のりはまた、歴史の大きな流れの立役者のすぐ傍らにあった人々に想いを馳せ、遡るルートになっている。

 

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